真木よう子さん主演、板谷由夏さん、吉瀬美智子さんら有名女優を多数起用したことで話題のドラマ『セシルのもくろみ』が、早くも打ち切りの危機を迎えています。
放送開始前、真木よう子さんがツイッターで、2桁の視聴率を目指すという目標を掲げていたのですが、初回の視聴率は5.1%と衝撃的な大爆死を遂げてしまいました。
それでも真木よう子さんは「逆に燃えてきた」とツイッターで発言。
まだまだこれから、ということをアピールしていましたが、続く第2話はさらに視聴率を落として4.5%と、もはや回復の見込みがない状況です。
このままいけば途中で打ち切りとなる可能性が高いと思われますが、
なぜこんなことになってしまったのでしょうか?その原因・理由・改善策を探ります。
打ち切りの原因・理由
まず、私は唯川恵さんの原作小説「セシルのもくろみ」を読んでみました。
個人的な感想としては、ファッションに関心の高い人、読者モデルになってみたいと思っている人でなければ、このストーリーは退屈なものなのではないかと思われる展開でした。
もともと、ファッション誌「STORY」に連載されていた小説なので、読者層としては上記に上げたような方たちだったので好評だったと思いますが、ドラマ化するにはターゲットがピンポイントすぎたのではないかと思います。
ドラマ化にあたり、制作側としてはそのあたりは百も承知で原作とは設定を変え、著名人女性にインタビュー形式で出演シーンを設けるなどの奇策を用意していますが、これも視聴者には不発だったようです。
ドラマをリアルタイムで見ているのは年配の専業主婦が最も多いと考えられ、視聴率を稼ぐならこの層を取り込む策を考えないと、上記のような「働く女性」「輝いている女性」をアピールするというのではこの層には響かないと思われます。
また、主演の真木よう子さんは男女問わず高い人気を誇る女優さんですが、今回のドラマはあまりにも女性向けすぎて、男性では見ていて退屈です。
打ち切り回避の改善策は?
真木よう子さん演じる奈央の夫や、南城編集長の視点で語るところを作るなど、男性目線で楽しめる設定があれば、視聴者の旦那さんとしても奥さんとみていて夫としての立場から意見を言ったりして楽しんでみることができるのではないでしょうか。
徳井義実さん演じるバイセクシャルの安原トモという人物が登場しますが、完全に女性側からの意見に寄ってしまっていて、せっかく男女に偏らない意見を述べられる立場なのに、あれでは言葉に説得力がありません。
マツコデラックスさんのような、老若男女誰にでも同じ目線でズバッと言えてしまうような人物として描かれるとよいのではないでしょうか。
他のドラマと比較してみると、渡辺直美さんが結構等身大のままで主演されているドラマ『カンナさーん!』は、初回で12.1%という高視聴率をたたき出し、初回だけでいえば大ヒットドラマ『逃げ恥』を超えていると話題となっています。
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橋本環奈さん主演のフジテレビドラマ『警視庁いきもの係』も、これまで日曜9時の枠はTBSの圧勝だったのが今回は視聴率で長瀬智也さん主演ドラマ『ごめん、愛してる』に肉薄しています。
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これらのドラマに共通しているのは、どちらも全く攻めていない、ド定番の設定、ストーリーであるということ、そして幅広い層から支持される基盤をもっているということが挙げられます。
『カンナさーん!』は、シングルマザーのカンナが奮闘するというストーリーは定番でわかりやすく、主演の渡辺直美さんは今や「インスタの女王」と呼ばれるくらい人気を誇っています。
『警視庁いきもの係』は、いわゆる推理もので特別斬新な仕掛けがあるわけではありません。しかし、誰でも楽しむことができるよう、毎回、様々な動物が登場して可愛いし、あまり知られていない生態のうんちくなどはついつい見入ってしまうところがあるという「動物は鉄板」という法則を利用しています。
また、旬の人物・歌のお兄さん・横山だいすけさんを出演させていることも鉄板ネタとえいるでしょう。
いずれも無難に視聴率を獲りに来た、と言ってしまえばそれだけですが、視聴率あってのドラマなので、『セシルのもくろみ』も、最低限の視聴者を確保するための一般受け設定を盛り込んでいかないと、早々に打ち切られる可能性があります。