ドラマ『わたしを離さないで』第8話の放送が近づいてきました。
第8話では、この物語の原点となる「陽光学苑」に、恭子、友彦、美和の3人が再び帰ってくるところから始まります。
しかし陽光学苑は数年前にすでに廃校となっておりあるのはその跡地に建てられた別の「ホーム」と、そこで育てられている子どもたちだけ。
ここで視聴者が思い出すのは、陽光学苑って何か大きな秘密を隠しているようだったけど、あれって結局何だったの?ということだと思います。
神川校長の思想や行動は不自然だったし、たまに美術品を持っていったマダムは何者だったのか・・・。
そういった謎が明かされないままになっていたのですが、どうやら8話、もしくは9話で再び真飛聖さん演じるマダムが登場し、その謎が明らかにされるようです。
※ここからは原作からのネタバレになりますのでご注意ください
マダムの秘密とは・・・
陽光学苑は、臓器提供のためだけに育てられる運命の子どもたちにも普通の人間と同じ感情や知性が備わっているので、外の世界の人間と同じ生きる権利を与えるべきだ、という思想のもとに作られた学苑だったのです。
ただ、形のない感情や知性というものをどうやって普通の人間と同じだと証明するか、神川校長やマダムが悩んだ結果、感性を映す鏡として芸術品を作らせ、それを証拠に外の世界の人間との差がないことを証明しようと考えたのです。
神川校長が感性豊かな生徒を育て、彼らに美術品を製作させ、マダムがそれを外の世界へと普及させて、提供者たちの人権を訴える。
これが彼女たちが提供者たちを守るために行っていた活動の正体だったのです。
わたしを離さないで [ カズオ・イシグロ ] |
ドラマ版では果たしてこの通りに描かれるのかどうかはまだわかりません。
ただ一つ言えることは、第7話の時点で陽光学苑がすでに廃校となっていること。
この事実から考えられる結果が明るいものでないことは想像に難くないと思います。
緊張の第8話、心してみてください。