3月25日(土)、26日(日)に二夜連続で放送されるドラマ『そして誰もいなくなった』のあらすじ、ネタバレ、原作との違い比較、出演キャスト、相関図、犯人、トリック予想をレポートします。
アガサ・クリスティの名作ミステリーが原作で、日本では初の映像化となるこのドラマ。
仲間由紀恵さんが主演を務め、向井理さん、柳葉敏郎さん、余貴美子さん、國村隼さん、藤真利子さん、大地真央さん、橋爪功さん、津川雅彦さん、そして、先日お亡くなりになられた渡瀬恒彦さんという豪華すぎるほどのキャスト陣が集結した注目のドラマです。
期せずして渡瀬恒彦さんの遺作として後世に語り継がれるようなドラマとなるのではないでしょうか。
渡瀬恒彦さんに置かれましてはご冥福をお祈り申し上げます。
番組概要
放送日時:2017年3月25日(土)よる9時、3月26日(日)よる9時 2夜連続放送
脚本:長坂秀佳
監督:和泉聖治
音楽:吉川清之
チーフプロデューサー:五十嵐文郎(テレビ朝日)
ゼネラルプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:藤本一彦(テレビ朝日)
下山潤(ジャンゴフィルム)
吉田憲一(ジャンゴフィルム)
三宅はるえ(ジャンゴフィルム)
制作協力:ジャンゴフィルム
制作:テレビ朝日
あらすじ
八丈島沖に浮かぶ孤島・兵隊島。その孤島に立つ『自然の島ホテル』のオーナー・七尾審によって10人の男女が島に呼び寄せられる。
七尾からの招待状を受け取りやってきたのは元水泳選手の白峰涼(仲間由紀恵)、元東京地裁裁判長・磐村兵庫(渡瀬恒彦)、元国会議員・門殿宣明(津川雅彦)、救急センター医師・神波江利香(余貴美子)、元傭兵・ケン石動(柳葉敏郎)、元女優・星空綾子(大地真央)、ミステリー作家・五明卓(向井理)、元刑事の久間部堅吉(國村隼)の8人。島に到着するも、ホテルの執事夫婦・翠川信夫(橋爪功)とつね美(藤真利子)からオーナーの七尾は不在であることを伝えられる。
これから何が起こるのか、自分たちはなぜこの島に招待されたのか―期待と不安に包まれながら用意された夕食をとっていると、突如としてどこかから彼らの過去の罪を暴露する“謎の声”が聞こえてくる。
それぞれの胸の内に去来する過去の出来事…。10人が互いの過去を探り合う中、突然招待客のひとりが目の前で殺害される! そしてそれをきっかけとするように、ひとり、またひとりと招待客が殺されていき…?
そして招待客たちが島に渡ってから数日後。事件の報を受けた警視庁捜査一課の警部・相国寺竜也(沢村一樹)と八丈島東署捜査課の警部補・多々良伴平(荒川良々)が兵隊島へと向かう。大きな“密室”となっていた兵隊島で発見された10体の他殺体――果たして犯人は誰なのか? そして10人は何のために集められ、殺されなくてはならなかったのか?
かつてない大きな謎に、天才的な観察眼を持つ刑事が迫る…!!
二夜連続ドラマスペシャル アガサ・クリスティ そして誰もいなくなった|テレビ朝日
原作 アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』
原題は『 And Then There Were None』で、日本語初訳は『死人島』として1939年に発行されています。
これまでに、横溝正史『獄門島』や西村京太郎『殺しの双曲線』など、影響を受けた作品というのは数多くありますが、意外にも、原作をそのままドラマ化したのは今回が初です。
ミステリー小説において、閉ざされた環境から出られなくなった登場人物たちが殺されていくという「クローズド・サークル」や、童謡などよく知られたものになぞらえた殺人が起こる「見立て殺人」などの代表的作品、または古典として評価されています。
なので、原作は知らなくても、なんとなく話の筋書きは知っている、という人が多いのではないでしょうか。
ちなみに、私は初めてこの作品に触れたのは、アニメ『うる星やつら』のTVシリーズ 「そして誰もいなくなったっちゃ!?」(原作 高橋留美子/監督 押井守/脚本 伊藤和典/演出 西村純二、1983年)です。
内容は、ラムたちお馴染みのメンバーが何者かによって無人島に招待され、マザーグースのクックロビンに見立てた殺人が次々と起こり、あたるを残してみんな殺されてしまう、というストーリーで、原作になぞらえたものになっていました。
『うる星やつら』は本来は学園青春SFコメディなのですが、テレビシリーズではたまにこういうホラー系の回があり、ビビりの私には結構なトラウマとなりました。
原作との違い比較
今回のドラマには原作には登場しない、敏腕刑事が二人、登場します!
沢村一樹さん演じる相国寺竜也(しょうこくじ・りゅうや)と、荒川良々さん演じる多々良伴平(たたら・ばんぺい)です。
「孤島」という大きな密室で起きた連続殺人事件の謎解きに挑みます!
出演キャスト
白峰 涼(しらみね・りょう)………仲間由紀恵
元水泳選手。10年前の世界水泳で100m、200m自由形の2種目で金メダルを獲得するほどの実力だったが現在は引退し、家庭教師をしている。
謎の声によると「5年前に教え子をプールで溺死させた」とされている。
五明 卓(ごみょう・たく)………向井 理
人気新進ミステリー作家。5年前まではアマチュアボクサーだった。謎の声によると「5年前にサラリーマンを殺した」とされている。
ケン石動(けん・いしるぎ)………柳葉敏郎
軍事評論家で元傭兵。兵隊島には拳銃を携帯してくる。謎の声によると「13年前、とある戦地で兵士5名を殺した」とされている。
星空綾子(ほしぞら・あやこ)………大地真央
元銀幕の大スター。芸能界を引退していたが、夫に先立たれ復帰する。謎の声によると「8年前、お手伝いの女性を殺した」とされている。
久間部堅吉(くまべ・けんきち)………國村 隼
元刑事で現在は探偵業を営んでいる。橋元陽二と名乗り、建築関係のサラリーマンを装い兵隊島にやってくる。謎の声によると「11年前、強盗殺人犯を殺した」とされている。
翠川つね美(みどりかわ・つねみ)………藤 真利子
『自然の島ホテル』の執事・翠川信夫の妻。謎の声によると「夫と共謀し、10年前に当時の雇い主を殺した」とされている。
翠川信夫(みどりかわ・しのぶ)………橋爪 功
兵隊島にある『自然の島ホテル』の執事。ホテルのオーナーである“七尾 審”に雇われ、島にやってきた。謎の声によると「10年前、当時の雇い主を殺した」とされている。
神波江利香(こうなみ・えりか)………余 貴美子
東京中央救急センター・外科部長。釣りが趣味。謎の声によると「16年前、患者を殺した」とされている。
門殿宣明(もんでん・せんめい)………津川雅彦
元国会議員。数々の政局に直面してきた政界の大物。謎の声によると「15年前に妻の愛人を殺した」とされている。
磐村兵庫(いわむら・ひょうご)………渡瀬恒彦
元東京地方裁判所裁判長。どんな裁判でも公正な裁きを下すと名声を馳せていた。
謎の声によると「7年前、担当裁判の被告人を殺した」とされている。
多々良伴平(たたら・ばんぺい)………荒川良々
事件現場となった兵隊島の管轄・八丈島東署の警部補。仕事は淡々とこなし、捜査能力にも長けているが、現場においては相国寺に振り回されてばかり。
相国寺竜也(しょうこくじ・りゅうや)………沢村一樹
警視庁捜査一課の警部。事件に関する下調べには余念がなく、現場においてはどんな些細な証拠も見逃さない鋭い観察眼を持つ。現場を再現して検証してみないと気が済まないというこだわりも。独特の空気感と特徴的な喋り方で、相棒となる所轄の刑事・多々良を翻弄する。
相関図
真犯人・トリック・事件の真相 ネタバレ
原作では、島の近くで漁師が真犯人による告白文が入ったボトルを見つけることで事件の真相が解明されます。
真犯人は、殺害されたと思われていた招待客の一人で、元判事のローレンス・ジョン・ウォーグレイヴという人物です。
ウォーグレイヴは、法で裁ききれなかった殺人者たちに鉄槌を下すためにこの計画をたて、自らを巧妙に被害者に見せかけるトリックで真犯人が別にいると思わせて犯行に及び、そして自殺したのでした。
今回のドラマでは、判事にあたる人物は、渡瀬恒彦さん演じる磐村兵庫ということになりますが、はたして彼が真犯人となるのでしょうか。
もし磐村兵庫が真犯人だとすると悲しいことではありますが、渡瀬恒彦さんの遺作となる作品として非常にぴったりであると言えるでしょう。
ぴったり、という表現は不謹慎で語弊があるかもしれませんがご容赦ください。
また、もしかするとドラマ版では、原作の結末を知る視聴者を楽しませるため、別の登場人物を真犯人にしているかもしれません。
登場人物たちがどのような死に方をするのかわかりませんが、その脚本次第でいくらでも真犯人は変更が可能だからです。
ちなみに私の予想は、やはり主演の仲間由紀恵さんです。
主人公だと思われていた人物が実は犯人だった、というと意外性があるのではないでしょうか。
いや、この設定すらすでにありがちな展開かもしれませんね。
さて原作では謎解きがなく、告白文によって事件の真相が語られてしまいますが、ドラマ版では沢村一樹さん演じる敏腕刑事・相国寺竜也が登場します。
彼によって謎解きがされるのかどうかも見どころの一つとなるのではないでしょうか。