ドラマ『夏目漱石の妻』第3回の感想、ネタバレをレポートします。
前回は長谷川博己さんのキレ芸が炸裂していましたが、今回はもだえ苦しむ姿が何ともいえない胸に訴えかけてくるものがありましたね。
竹中直人さん演じる養父の、真綿で首を締めるような追い詰め方が、またいい味を出していました。
本当にやっかいな客で、鏡子の必死の説得、というか交渉で何とか縁が切れました。
しかし、またしても鏡子にとっては「やっかいな客」がもう一人登場しました。
満島真之介さん演じる荒井伴男です。
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荒井伴男という人物、気になったので調べてみましたが、彼はどうやら実在したようです。
というのもモチーフになった人が実在した、ということなのですが、この当時、夏目漱石を訪ねてきた荒井という男がおり、自分の話をネタに小説を書いてみないかという話を持ち掛けてきたそうです。
彼の話を聞いて興味が沸いた漱石でしたが、個人の話を小説にするのはよくないと考え、ドラマにもあったように最初は自分で書くことを勧めたそうです。
しかし、新聞連載のネタとして結局、荒井の話を題材にした連載を書くことになり、『虞美人草』に次ぐ、職業作家としての2作目『抗夫』として発表したのです。
◆◆夏目漱石全集 4 / 夏目漱石/著 / 筑摩書房
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ドラマでは、黒島結菜さん演じる山田房子と何やらいい感じになりそうな雰囲気でしたね。
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『抗夫』に描かれている主人公の男(荒井)は、東京に戻ってからはどのような人生を歩んだのかまでは書かれていないので、ここから先はフィクションということになると思われます。
どのような展開になるのか楽しみですね。
また、早いもので次週の第4回でとうとう最終回です。
漱石の物語はまだまだこれから、というところなのでもっと観てみたいと思いますが、これはこれで上手くまとめられていていいのかもしれません。
最終回を楽しみに待ちたいと思います。